独立系FPの探し方
FPの資格を持っている人は、全国に約18万人以上(日本FP協会より参照:全国資格認定者数182,504人)。
ですが、独立系FPは数が少ないうえに、良い独立系FP事務所を探すのはとても難しいのです。
また、独立系FP事務所といいながら、保険しか売ることができない「保険代理店」である事務所や、具体的な問題解決のサポートの無い相談だけの独立系FP事務所が圧倒的に多いのも事実です。
更に、これらをわかりやすくHPに記載しているところは少なく、セミナーでも言わないところがほどんどです。
ではどうやって探せばいいのでしょうか?
独立系FPにも何タイプかある
独立系FPは中立であるとご紹介しましたが、なかには中立とは言えない立場のFPも混ざっているので自分で探す際には注意が必要です。
完全中立のFP
独立型FPと聞くと全てこのパターンだと勘違いする方が多いかもしれません。
企業に属さないため、中立の立場で相談に乗ってもらえます。
金融商品を取り扱わず、手数料を得られないため有料となります。
特定の商品を勧めることもないため相談のみのサービスになっていることが多いです。
また、相談料がおもな資金源のため高額な相談料がかかるケースが多くなります。
複数企業から収入を得ているFP
独立系と言っても企業から手数料をもらっている場合もあります。
簡単に言えば企業と業務委託契約を結び「複数企業の商品を取り扱っているFP」です。
商品契約で企業から手数料が支払われます。
たいていの場合、相談をした際には取り扱い保険会社の中からその人に合った商品を紹介することになりますが、複数企業取り扱っているためある程度は中立の立場と言えます。
取扱商品が多いほど解決のための手段の幅が広がるので
特定の企業を収入源としているFP
この場合は企業系FPとほぼ同じになるため中立の立場とは言えません。
HPなどに明記されている取り扱い商品が 少ない/ない 場合はこのタイプだと言えます。
おすすめできない点として…
商品が限られるため、選択肢が少ない
不必要な商品に加入させられる可能性がある
取扱い商品にしか詳しくない※その他の金融商品に弱い
インターネットでFP事務所を検索する
WEB検索をして独立系FP事務所を探す場合は、HPに記載されている内容を確認することが大事なポイント
①HP内に『取り扱いのある商品をきちんと載せているのかどうか』
FP事務所は本来、金融商品の取り扱いがある場合は何を取り扱っているのかというのを明示しないといけません。
- 投資信託を販売できる → 取り扱える証券会社名
- 生命保険を販売できる → 取り扱える生命保険会社名
- 損害保険を販売できる → 取り扱える損害保険会社名
- 住宅ローンを販売できる → 取り扱える住宅ローン販売会社名
HPに明示されている
取り扱いできる商品が少ない
(もしくは、無い)
┃┃
企業系FPと変わらない
HPをチェックしている際に会社名がない、あまりにも少ない場合、中立な立場で相談に乗ってくれる可能性は低くなります。
➁「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」
IFAとは…
IFAとは「Independent Financial Advisor」の略称
一般的には独立系ファイナンシャルアドバイザー、もしくは金融商品仲介業・金融商品仲介業者と称される。
銀行や証券会社には所属しておらず、独立開業している。
資産運用に特化した専門家で資産運用のアドバイスはもちろんのこと、株や債券、投資信託などの金融商品の説明や販売仲介を行うことができる。
※「金融商品仲介業者」=
としての登録を受け、複数の証券会社と契約を結ぶことが可能で、取り扱う商品の幅が広いのが特徴
業務内容などは似ていますがFPとは違う職業です。混同しやすいので注意。
この記載があれば間違いありません。
➂FPのプロフィール
保有資格、経歴、実績などをしっかりチェックしましょう✔
FPには1級〜3級までの級があり、級が上がれば上がるほどFPとしての信頼度が上がります。
等級がすべてではありませんが、一般的には国家資格2級以上が望ましいとされています。
民間資格であるAFP、CFP®︎取得者であれば国家資格2級以上である保証があるため、より安心して依頼できるでしょう。
『AFP』の取得条件
FP2級資格取得
実務経験 or AFP認定者研修を修了
→2年おきに継続的な学習が義務付けられている
常に新しい知識を身につけている証
『CFP®︎』の取得条件
FP1級資格取得
実務経験
6項目のCFP®︎資格審査試験に合格
→世界的に認められている国際資格で
FPの中でもっとも信頼度の高い資格
FP業務に関連する資格を取得している=専門分野の知識がさらに深い!=得意分野を見分けるポイント
簿記
事業活動における経済活動を把握し、経営成績や財政状況を把握するためのスキル。
財務諸表を読むことができるようになるため、収益や損失、資産や負債の増減などのお金の流れを掴むことができ、基礎的な経営管理や分析力を身に着けることができる資格です。
FPは個人のお金の流れに関して学ぶのに対して、簿記は会社のお金の流れに関して学びます。
経営面のコンサルティング、投資先の選定、不動産投資などで簿記の知識を活かした信憑性の高い提案をしてくれるでしょう。
宅地建物取引士(宅建士)=不動産関係
不動産業界において非常に重要な資格で、不動産取引に関して、3つの独占業務(契約締結前に行う重要事項の説明、重要事項説明書面(35条書面)への記名押印、契約内容を記した書面(37条書面)への記名押印)を有する国家資格。
宅地建物取引士(宅建士)は、円滑な不動産取引を行うためのスキルや知識を有した不動産のエキスパートです。
FP資格で得る住宅ローンに関する知識などもあわせて、不動産分野でより専門的なアドバイスができるようになり、資産運用や税金対策も併せた幅広い提案もしてくれる可能性があります。
中小企業診断士=法人を相手にした保険営業やコンサルティングなどに強い
中小企業の経営に関する資格で、具体的には企業の診断及び経営の助言(コンサルティング)を行う、経営分野唯一の国家資格。
法人を相手にした中小企業の経営に関する分析と、経営状況・財務状況にふさわしい保険の提案などを一人で行える
企業の経営活動や財政状況を総合的に把握することができる中小企業診断士ですが、FP資格とのダブルライセンスを取得することで事業の継承や経営者・従業員のライフプランニングに関する相談業務を展開することが可能となり、相乗効果を期待することができます。
税理士=税金関連
税に関する専門家で、3つの独占業務(税務代理、税務相談、税務書類作成代行(決算書や確定申告など))を有した国家資格。
税金関連の相談について、FPができるのは一般的な説明までとなります。
お客さん個人個人の税金の相談を受けたり、税金を実際に計算して申告や納付を行うなどの行為は国家資格である税理士の独占業務です。
FPと税理士を両方取得していれば、節税に関する依頼もスムーズに請け負ってくれると言えます。
社会保険労務士=社会保険、労働保険に関す
企業内の人材に対する労働・社会保険の問題に応じることができる保険関連のエキスパートです。
ファイナンシャル・プランニングにおいても年金関連の相談や資金計画は重要な視点となりますが、社会保険労務士を取得いていればさらに深まったアドバイスを行うことが可能となります。
行政書士=相続や会社設立、事業継承など
行政書士は国民に最も近い法律家とも呼ばれ、法律に関わる様々な書類作成・相談業務などを行います。行政書士の対応範囲の中には、相続対策で必要となる遺言書・遺産分割協議書の作成も含まれています。
生命保険募集人
生命保険会社ではこの生命保険募集人教育制度を受け、一般課程の試験に合格しなければ生命保険の募集や販売が行えません。
名前に生命保険とつきますが、生命保険会社だけでなく銀行や損保会社でも保持すべき資格
他にも…
生命保険募集人/外務員資格/DCプランナー/マンション管理士/相続診断士
実績は?
相談実績と、その内容は?
公表できる資格・実績
業務別・・・ 講演や執筆など情報提供系がメインか? コンサルテーションなど相談実行支援系がメインか? →業務実績
スキル別・・・ 投資系か? 保険系か? 不動産系か?など 担当分野別 →保有資格
「経歴を確認できない」「特定分野の実務経験しかない」
執筆や公演活動が中心のFPには注意
「○○百回以上セミナー経験あり」や「○○雑誌掲載」など記載されていると、FPとしての知識は豊富かもしれませんが、実際に個別相談の実務経験や実績が伴っていない場合も少なくないでしょう。経験や実績が少ない場合は良いFPとは言えません。
例えば、セミナーや執筆を行うための投資や保険の基礎知識はあっても、その人にあった具体的な商品が勧められないということもあり得ます。
相談実績
ファイナンシャルプランナー(FP)相談窓口を選ぶときは相談実績を確認しましょう。
相談の質やファイナンシャルプランナーの実力と相談実績は比例するからです。
事実、1度相談してもFPや相談の質が悪ければリピーターとして相談することはないでしょう。そのため、相談満足度やFP相談実績も併せてチェックしておくと失敗しないFP相談窓口選びができます。
セミナーに参加する
独立系FP事務所がマネーセミナーを開催している場合があります。
セミナーに参加することで講師や会社の雰囲気などもわかりますので、あなたに合った良いFPを探す近道になることでしょう。
独立系FPか確認する方法
『独立系ファイナンシャルプランナー』あるいは『IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)』などの表記があれば間違いありません。
企業系FPセミナーは、セミナー名に銀行名・証券会社名が入っている場合があります。
資料と同じく、紹介の際に独立系FP
独立系FPではお客さんを集めるためにセミナーを開催します。このとき会社の紹介をすると思いますが、「金融商品取扱業者」「保険代理店」などと紹介されます。
また表記がない場合は主催側に遠慮なく質問して構いません。
セミナーに参加することで講師や会社の雰囲気などもわかりますので、あなたに合った良いFPを探す近道になることでしょう。
まとめ
- 専門的な知識、最新の情報を有している
- きちんと問題を把握して指摘してくれる
- 親身になって、あなたの立場に立ってアドバイスしてくれる
- 提案内容や説明が丁寧
- 相談者が求めれば、きちんとプランの実現とフォローアップで支援してくれる
- 強引な提案、勧誘が無い